仕事がなかなか思うように終わらなかったり、毎日が暑すぎて外に出るのも億劫になってしまったり。
油断をすれば気分が落ち込み、ついつい下を向いてしまうのが、最近の日常となっていました。
少し休めば、涼しいところで一息つけば。それで解決すれば良いのですが、やっぱり何をしている時もなんだかモヤモヤを感じてすっきりしない気分が続いていました。
毎日の通勤電車、駅から職場までの道のり。
足取りは重く、なんとか駅で買ったパンと缶コーヒーも味を感じる余裕もなく、ただただ口に運ぶものになっていました。
その日はいつもにも増して晴れた日で、暑くなる予感がしました。
例によって職場に着いたらそのまま仕事に追われてしまうことがわかっていましたので、缶コーヒーは信号待ちで飲んでしまうことにしました。
ところで、人はポジティブな時は、顔が僅かに上を向いているそうです。
確かに、爽やかな朝の映像、元気100倍アンパンマンのシーン、将来の夢を想像しているシーン、新しいアイディアを思いついたシーン、どれを見ても登場人物は上を向いています。
では逆にネガティブな感情の時に無理やり上を向くと、ポジティブな思考になれるのか。
実は脳科学や心理学、メンタルケアの分野では「上を向く行為」と「メンタル改善」は因果関係があることが報告されているようです。
そこで、登場するのがいつもはなんとなく職場で飲み干している缶コーヒー。
朝の糖分が不足している時に甘いコーヒーが染み渡り、缶の縁に溜まった残りを飲み干すためには必ず缶ごと上を向く。
なんとなくコーヒーっぽい香りが鼻に抜ける。
目には空き缶の奥に広がる青い夏の空。
その瞬間、なんとなく重かった気持ちは心なしか軽くなり、それまで悩んでいたことが、実はそれほど重要なことでなかったことに気がついたのです。
これはすごい発見です。
自分の動作で、感情をコントロールする方法があるということです。
自分は自分が思っているよりも遥かに、単純にできているものだと思い、私は朝の缶コーヒーを飲み干すのです。
知り合いの人(写真を撮っています。缶コーヒーはいつも甘いのを買います)